マミ「あら、いらっしゃい」 
2011/03/05 Sat. 00:02 [edit]
ワイワイガヤガヤ
さやか「……あ、れ? ここ、どこ……?」
マミ 「お久しぶりね、美樹さん」
さやか「マミ、さん? 嘘……」
マミ 「ふふふ。お疲れ様」
さやか「あ、あたし」
マミ 「いいの。全部、あの子から聞いたから」
杏子 「よ、よう」
さやか「あ……」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 14:17:53.76 ID:JV4fA
マミ 「それにしても……貴女、本当に変わったわね」
杏子 「あ?」
マミ 「以前に会った時は獣と会話している様だったのに。今はまるで女の子みたいね」
杏子 「『まるで』じゃねェ。女の子なんだよ、あたしは」
マミ 「どれほどの心境の変化があったのやら。早々に退場したのが惜しまれるわ」
杏子 「はっ、全くだ。お陰様で、こっちはこのザマだっつーの」
マミ 「それは申し訳無いわね。お詫びにお菓子などいかが? 紅茶も用意してあるの」
杏子 「許した」 パクパクモグモグ
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 14:19:44.37 ID:JV4fA
さやか「……」
マミ 「美樹さんもどうぞ?」
さやか「……ごめんなさい」
マミ 「?」
さやか「マミさんの言った通りだったよ。あたしはやっぱりイヤな子で、マミさんみたいな正義の味方になんてなれなかった。それどころか、あんたまであんな目に合わせちゃって。あたし、二人に合わせる顔がないよ」
杏子 「まーだそんな事言ってんのかよ、テメェは」
さやか「え」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 14:21:08.73 ID:JV4fAl
杏子 「あたしは徹頭徹尾、自分の為にやってんの。あたしがやりたいからやった。それだけだ。前に言ったよね? 自業自得だってさ。 むしろ、あんたには感謝してんの。……あのままどっかでのたれ死ぬよか、万倍は上等さ」
さやか「あ、あんた……」
マミ 「ニヤニヤ」
杏子 「……んだよ」
マミ 「さっきみたいに名前で呼んであげたら?」
杏子 「調子に乗ってるとマジ潰すぞ」
マミ 「あら怖い。……美樹さん、もういいの。全部、終わった事だもの」
さやか「……ありがと」
マミ 「いえいえ。……あら、紅茶が冷めちゃったかしら。温め直して来るわ」
杏子 「そんなもん魔法で」
マミ 「興が殺がれるでしょう? あとは若いお二人にお任せってね」
杏子 「チョーウゼェ……」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 14:27:51.85 ID:JV4fA
◆ ◆ ◆
さやか「……」
杏子 「……」
さやか「あの、さ」
杏子 「な、何だよ」
さやか「ありがと。あんたの声、ちゃんと届いてたよ。嬉しかった」
杏子 「そうかい」
さやか「なんで、あたしなんかの為にあそこまでしてくれたの……?」
杏子 「さっき言ったろ。感謝してるからさ」
さやか「あたし、あんたに何もしてあげられてないのに」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 14:38:01.34 ID:JV4fA
杏子 「うざってェ……」
さやか「ご、ごめん」
杏子 「あ、いや、違」アタフタ
さやか「……」
杏子 「……」
杏子 「……あんたにさ、憧れちゃったんだ」
さやか「え?」
杏子 「打ちのめされて絶望しても、ひたすら他人の為に戦おうとするあんたを見て、昔を思い出したっていうか……。あんだけ好き勝手やっといて、何を今更って思うだろ? ははっ、違いないね」
さやか「……ほんとだよ」
杏子 「……あぁ、そうだよな」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 14:46:21.11 ID:JV4fA
さやか「……最初に会った時にさ」
杏子 「うん」
さやか「手も足も出ないまま、ボッコボコにされたじゃない。あれは痛かったなぁ。殺されるかと思った」
杏子 「わ、悪かったよ。でも、テメェだってあたしをボロボロにしたじゃねェか」
さやか「……じゃ、お相子だね」
杏子 「あぁ、お相子だ」
さやか「……あはは」
杏子 「……へへへ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 14:48:19.60 ID:jTSSJLy
あんさやペロペロ
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 15:17:41.27 ID:/tZB9
さやあんか
大好物だ
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 14:57:12.92 ID:JV4fA
さやか「杏子」
杏子 「何だよ……ってお前、今」
さやか「さやかって呼んでよ。あの時みたいにさ」
杏子 「う、うるせェ!! アレは……気の迷いだよ」
さやか「そっか……」
杏子 「……」
さやか「……」
杏子 「さ、さやか」
さやか「なに?」
杏子 「……お前と会えて、良かった」
さやか「……あたしも。最期に杏子が一緒に居てくれて、良かった」
杏子 「!! あっあああああ~~~! ガラじゃねェ! 何言ってんだあたし!」パクパクモグモグムシャムシャゴクン
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 15:08:52.10 ID:JV4fA
杏子 「~~~~~~ッッ!?」ジタバタジタバタ
さやか「ちょ、ちょっと杏子!」
杏子 「っぐえ、いぎ、できねェ゛!!」
さやか「こ、これ飲んで!」
杏子 「!! ごくごくごく……ぷは~~っ! も、もっかい死ぬかと思った」
さやか「……あ」
杏子 「ゼェゼェ……ど、どうした」
さやか「これ、あたしの紅茶だった」
杏子 「!!?」
さやか「ま、女同士だからいいよね~。あれ、どしたの杏子?」
杏子 「ななななんでもねェよ!!」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 15:14:08.76 ID:JV4fA
◆ ◆ ◆
マミ 「お待たせしました~」
さやか「お、マミさんおかえり! ごめんね、気遣わせちゃって」
マミ 「いえいえ。……ふぅん」ニヤニヤ
杏子 「な、何見てんだよ!?」
マミ 「べっつにぃ~?」
さやか「いっただっきま~す! ……うん、やっぱマミさんの紅茶はサイコーだねぇ! 杏子に飲ませちゃったのがもったいないや」
マミ 「……ほうほう」
杏子 「うぐぐぐ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 15:27:56.18 ID:JV4fA
さやか「新しいお菓子も持ってきてくれたんだねぇ。 ……何コレ、おいし~~!!」
マミ 「気に入ってくれた? 一応、手作りなんだけれど」
さやか「そりゃあもう! マミさんをあたしの嫁にしたいくらいだよ!」
マミ 「生のパスタに塩を振って、軽く焼いただけなんですけどね」
さやか「謙遜しなさんなって! 杏子も食べてみなよ! おいし~よ?」
杏子 「……しゃあねェな」
さやか「ほら、あ~ん」
杏子 「バッ、さやか、やめ……ハッ」
マミ 「え、なんて? 今、なんて?」ニヤニヤ
杏子 「じ、自分で食えるっつーの! ……あ、うまい」ポリポリ
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 15:45:56.73 ID:JV4fA
さやか「マミさんはいいな~。なんでも出来ちゃうもんな~。あたしが男だったらほっとかないのに」
マミ 「うふふ、ありがとう。でも、私なんて大してモテなかったわよ?」
杏子 「嘘つけよ。その胸でか」ポリポリ
マミ 「胸は関係ないでしょう、胸は」
さやか「おっきいよね~、マミさんの胸」
マミ 「もう、美樹さんまで……」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 15:46:12.60 ID:JV4fA
杏子 「ま、あたしらには縁のない話ではあるけどね。色恋沙汰なんざ」
さやか「……」
杏子 「あ……悪い」
さやか「別にいいよ。吹っ切れて……はないけど、あいつが幸せになってくれれば。そこは仁美にお願いかな? あはは……」
杏子 「さやかだって」
さやか「……え?」
杏子 「……あたしが男なら、ほっとかねェのに」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 15:58:12.39 ID:JV4fA
さやか「あ、あはは! 物好きだな~。こんなガサツな女、他に貰い手がいないからね~」
杏子 「んなワケないだろ。あいつが羨ましいよ」
さやか「へへへ。……杏子が男だったら、ほんとに危なかったよ」
杏子 「バ、バカ……」
マミ 「……もうちょっとお砂糖控え目でも良かったかしら?」
さやか「そう? ちょうどいいけど。マミさん甘いものあんまり好きじゃなかったっけ?」
マミ 「いいえ、大好きよ? でも、少し度が過ぎるんですもの」ニヤニヤ
杏子 「ニヤニヤしながら見るんじゃねェ……!」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 16:05:50.31 ID:qAlyxA
チーズやるからもっと書いてよぉ!
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 16:30:48.13 ID:JV4fA
マミ 「さてと……お次はチーズケーキ、というのはどうかしら?」
さやか「わ~、大好きだよマミさん! 分かってるねぇ!」
杏子 「あたしはなんでも食う」
マミ 「良かった。実はもう用意してあるの」サッ
さやか「お、おっきぃ……」
杏子 「あたしはなんでも食う」
マミ 「ふふふ、召し上がれ。あ、それから……」
? 「チーズ!」ダダダダダッ
さやか「!?」
杏子 「!?」
? 「いただきー!!」シュバッ
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 16:36:41.30 ID:JV4fA
さやか「あ!?」
杏子 「テメェ、待て!」ダッ
マミ 「……言うのが少し遅かったみたいね」
さやか「あの子、知ってるの?」
マミ 「えっと、すこーし言いにくいのだけれど……お菓子の魔女、って言えば分かる?」
さやか「え~~~~~!? それって、マ、マミさんを……」
マミ 「そういう事。あの子、チーズには目が無いから。うふふ」
さやか「いやいや、母性漂わせながら笑ってる場合じゃないよマミさん! そんなのが……」
マミ 「もう、いいの。誰も悪くないもの。貴女なら分かるでしょう? 仕方が無い事だったのよ」
さやか「……マミさんは、やっぱり凄いや。自分を殺した相手を、すんなりと許せるなんて」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 16:54:34.99 ID:JV4fA
マミ 「とっても良い子なのよ?」
さやか「あっちでワイワイやってるのって、みんな……」
マミ 「そう、魔女だった子たち。魔女にならないまま終わった子も混じっているけれど、みんなが仲良くやっているわ」
さやか「……申し訳無いな。あたしが殺した子もあの中にいるんだ」
マミ 「……美樹さんは、魔女としての自分が終わった時にどう思った?」
さやか「……魔女になった時は、ひたすら辛かった。身体はいう事を聞かないで、頭の中は他人を呪う事ばかり。そんな事したくなかったのに。だから、杏子がそれを終わらせてくれた時は……嬉しかったな」
マミ 「そう。みんな一緒よ」
さやか「え?」
マミ 「魔女としての役目を終えたからこそ、あの子たちはここに居る事が出来るの。呪いを撒き散らす運命から、解放されたの。……まぁ、あの子たちの受け売りなんだけどね。魔女になっていない私が言っても、説得力に欠けるかも知れないけれど」
さやか「うぅん。ありがとう。気が楽になったよ」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 17:09:38.41 ID:JV4fA
杏子 「ハァハァ……」
さやか「あ、おかえり」
杏子 「ぜ、全部食われちまった……」
マミ 「ふふふ」
さやか「あ、でもあたしの皿にはあるよ。マミさんが先に取ってくれたからだね」
マミ 「お先にどうぞ」
さやか「ありがと。杏子は?」
杏子 「食っていいよ」
さやか「……あ、いい事考えた」
杏子 「?」
さやか「食うかい?」スッ
杏子 「煽ってんの? ……じゃあいいよ、食べるよ」
マミ 「眼福……あ、もう一つあるからね」
杏子 「先に言えよ!?」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 17:21:56.68 ID:VE
なんでだろう..なんか泣けてきた
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 17:27:34.99 ID:JV4fA
パクパクモグモグ
杏子 「んぐんぐ。ズズズ」
マミ 「お行儀が悪いわよ」
杏子 「うるせェな。お前はあたしの姉貴かっつーの」
さやか「確かに、マミさんはお姉さんって感じがするね」
杏子 「胸のせいかもな」
マミ 「もうその話はいいでしょう」
さやか「うーん……。それもあるけど、オーラが?」
杏子 「子持ちでも驚かないよ」
マミ 「失礼な。これでも貴女たちの一つ上なのだけど」
杏子 「お前ら二人してデカい胸しやがって。あたしの気持ちを分かってくれるのは、まどかくらいなもんだ」
マミ 「鹿目さんかぁ……」
さやか「……こうなる前に、謝りたかったな」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 17:38:33.98 ID:JV4fA
杏子 「あいつは良い奴だからな。きっと今頃大泣きだよ?」
さやか「いつの間にそんなに仲良くなったのさ」
杏子 「なんてったってあたしのうまい棒を受け取ってくれたからね!」
マミ 「貴女、まだあれやってるんだ……」
さやか「マミさんにも?」
マミ 「ええ。断ったけれど」
杏子 「今までで受け取ってくれたのはまどかだけさ」
さやか「うわぁ……」
マミ 「心を許した相手に食べ物を渡すって……犬か猫みたいよね」
さやか「あはははははは!! かわい~!」
杏子 「うるせェよ!! 笑うなよ!」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 17:51:38.97 ID:JV4fA
マミ 「食うかい?」キリッ
さやか「ひ~! ひ~!!」
杏子 「畜生お前らはバカだ……!」
マミ 「まぁ、当時はどちらかというと猛獣だったけれど」
さやか「杏子はおっかなかったよね。気圧されちゃったもん、あたし」
杏子 「そ、そうかな……?」
マミ 「善人には見えなかったわね」
さやか「悪の魔法少女、現る! ってカンジ?」
杏子 「そんなつもりは無かったんだが……」
マミ 「ほんとは寂しかったんだもんね~」
杏子 「マジでこいつどうにかしろよ」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 17:53:04.50 ID:lLqTj
こういうのはいい‥‥
本編に救いがない分心が洗われるようだ‥‥
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 18:02:22.16 ID:JV4fA
さやか「あぁ、かわい~なぁ! も~!!」ガバッ
杏子 「やめやめやめやめろ!!」
マミ 「いいわ。続けて」
さやか「は~い! さぁ、杏子もあたしの嫁の一人に加えてやろう!」モゾモゾ
杏子 「あは! あはははははは!!」
マミ 「紅茶が無糖なのに甘いわ……」
杏子 「満足そうじゃねェか……」
マミ 「それはもう」
杏子 「そうかい……オラ!」ムニュ
マミ 「ひ!?」
杏子 「でけェ! おい、さやか!」
さやか「りょ~かい!!」ムニュムニュ
マミ 「ちょ、やめ……! くすぐった、あは、あははははははは!!」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 18:18:07.26 ID:JV4fA
さやか「はぁ、はぁ」
杏子 「つ、疲れた」
マミ 「ん、は、ぁ……。あっ」
杏子 「吐息がエロいんだよ!」
さやか「あはははは! ……ん?」
?? 「あの……」
さやか「え、あたし?」
?? 「はい……」
さやか「えっと……、ゴメン、誰?」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 18:24:12.80 ID:JV4fA
マミ 「貴女は、確か」
?? 「ええ。私、影の魔女であった者です」
さやか「あ……」
杏子 「あの時の魔女、か」
影 「お久しぶりですね」
さやか「……ごめん」
影 「はい?」
さやか「ごめんね。あんな事しちゃって。謝って済むとは思えないけど、やっぱり謝らせて。……すっごく、痛かったよね?」
影 「い、いえいえいえいえ! ど、どうかお顔を上げて下さい!」
さやか「……え?」
影 「私は、あの悪夢から解放して下さったお礼を申し上げに参りました」ペコ
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 18:35:31.49 ID:JV4fA
さやか「……あなたは、勘違いしてるよ。あたしはそんなつもりで」
影 「いいえ。勘違いではありません。貴女は間違い無く、私を救って下さったのです。お気に病んでらっしゃるのなら、どうか……」
さやか「……」
影 「それと……。いいえ、何でもありません」
さやか「?」
マミ 「言っちゃいましょう」
影 「え」
マミ 「言いたい事があるのなら、言っちゃいましょう。折角の機会なのだから」
影 「マミさん……。い、いえ、ただ、あの時酷く辛そうな表情でしたので……」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 18:43:25.70 ID:JV4fA
さやか「……心配して、来てくれたの?」
影 「……出過ぎた真似でした。申し訳ございません」
さやか「優しいなぁ」
影 「え?」
さやか「あ~あ。どうしてみんな……そんなに優しいかな~。うぐ、ひっく」
マミ 「ね? 言ったでしょう、美樹さん?」
さやか「うん……。うん……」
杏子 「礼を言うのはこっちだ。わざわざ、ありがとな」
影 「い、いえ。貴女方の幸せを、祈っております」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 18:52:35.43 ID:u5k
こんな世界があったならQBの犠牲になった子達も報われるな・・・。
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 19:00:21.12 ID:ZLvi
死後の世界の存在は
生きている俺達こそを救うんだ
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 20:58:50.12 ID:JV4fA
◆ ◆ ◆
さやか「ぐす……」
杏子 「いつまでもメソメソしてんじゃねェぞ」
さやか「うん……」
マミ 「こんな感じで、みんな良い子たちだから。貴女達も、きっと楽しく過ごせると思うわ」
杏子 「……ねぇ」
マミ 「?」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 20:59:21.99 ID:JV4fA
杏子 「ここは、何なんだ? 天国、ってワケでも無ェよな。逆ならまだしも、そんな大層な所に行ける程、善行を積んだ覚えは無い」
さやか「確かに……行くなら地獄だよね、あたしたち」
杏子 「お前は違うさ。堕ちるならあたし一人だ」
マミ 「……これは、推測なのだけれど」
さやか「?」
マミ 「ここ、元魔法少女しか居ないのよ。話を聞いて周ったから、間違い無い」
さやか「それ、つまり……」
マミ 「魔法少女卒業パーティ会場?」
杏子 「マジでか」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 21:08:33.55 ID:xQtr
何だろう、胸が暖かくなるな
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 21:12:35.34 ID:JV4fA
さやか「え? 何、そんなめでたい……え?」
杏子 「……あいつか」
マミ 「多分、ね。どういうつもりかは分からないけれど」
さやか「労いのつもりなのかなぁ」
杏子 「畜生のする事はよく分かんねェな」
マミ 「随分とまぁ、嫌われてるわね、キュゥべえも。無理もないか」
杏子 「お前、あいつの肩持つのかよ?」
マミ 「孤独な心を癒してくれたのは間違いないもの。正直な所、嫌いにはなりきれないわ」
さやか「マミさん……」
杏子 「そんなモンかねェ。やっぱり甘いよ、アンタ」
マミ 「ふふふ、今の貴女がそれを言うの?」
杏子 「……確かに、な。あたしも十分、甘ちゃんだったわ」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 21:21:20.28 ID:JV4fA
さやか「マミさんも杏子も、もう一人ぼっちなんかじゃないって!」
杏子 「さやか……」
さやか「あたし達、これからはずっと、三人一緒でしょ?」
マミ 「……もう。やっぱり貴女、鹿目さんの親友なのね」
?? 「やぁ、楽しんでいるかい?」
三人 「げっ」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 21:28:45.38 ID:JV4fA
QB 「久しぶりだね、マミ。後の二人は……そうでもないか」
マミ 「ええ、久しぶり」
さやか「帰れ」
杏子 「帰れ」
QB 「やれやれ、酷い言い様だね」
杏子 「さやか、お前そっちな」サッ
さやか「分かった」サッ
QB 「それで、どうだい? 僕には感情が無いから、これで君達が喜んでくれるかは分からない」
杏子 「とりゃッ」グイッ
さやか「うりゃっ」グイイッ
QB 「でも、宇宙の礎となった君達にせめて痛い痛い痛い痛い」
マミ 「耳(?)がすっごい伸びてるわね」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 21:39:36.21 ID:JV4fA
QB 「酷いや。せっかくの第二次性徴期の少女に大人気のルックスが台無しじゃないか」ビローン
マミ 「おモチの妖怪みたいになってるわよ、キュゥべえ」
杏子 「縛ろう」
さやか「固結びね」
QB 「それで、どこまで話したっけ。あぁそうそう……だから痛いって言ってるじゃないか!」
さやか「無表情で怒鳴なよ、キモい」
杏子 「ケツみたいな口しやがって……」
QB 「ちょっとマミ、助けて」
マミ 「うふふふ~」
QB (味方じゃなくて中立だったのか)
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 21:40:47.61 ID:lLqTj
もうこれだったらQBでもいいかぁ‥‥
いいよなぁ
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 21:45:24.44 ID:xQtrj
いい気はするがいいと言いたくない心情
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 21:52:37.76 ID:JV4fA
QB 「……気は済んだかい?」
杏子・さやか「うるさい」
QB 「もしかしたら、今僕が抱いているものを感情と呼ぶのかもしれないね。帰りたいよ」
マミ 「それで、何の話だっけ?」
QB 「宇宙のエネルギーが危険でエントロピーなんだよ!」
三人 (何言ってんだこの珍獣……)
QB 「何だいその顔は。君達はいつもそうだね。僕が何かおかしな事を言ったかい?」
杏子 「おかしい」
さやか「主に耳がおかしい」
マミ 「ソフトクリームみたいでおいしそうじゃない」
QB 「容赦が無いね。まどかが如何に良い子だったのか分かった気がするよ」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 22:03:30.80 ID:JV4fA
QB 「そう、これは君達に対するボーナスだと思って欲しい。君達がこの宇宙にもたらしたエネルギーは計り知れない」
杏子 「もう喋るな、笑っちゃうから」
QB 「……」
さやか「プッ……プスーッ」
QB 「喋らなくても笑っているじゃないか!」
マミ 「それ、可愛いと思うわよ」
QB 「マミ……」
マミ 「手足も縛ったらもっと可愛いんじゃないかな」
QB 「あぁ、中立ですら無かったんだね。僕の見積もりが甘かった様だ」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 22:07:32.40 ID:vvsNv
なんだろう
このQBは許せるような気がしてきた
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 22:11:02.95 ID:u5kM
それでもQBは許せないがこの子達が救われるならいい。
100 名前:QB虐待面白過ぎて止まらない[] 投稿日:2011/03/04(金) 22:17:55.95 ID:JV4fA
QB 「歩けないんだが」
さやか「流石に可哀想になってきたんだけど」
杏子 「この辺で許してやるとするか。喜べ、電波珍獣」
マミ 「え~。もう少しキュゥべえの可愛い所、見たかったな~」
QB 「……マミ、君が呪いを撒き散らさずに済んだのが不思議で仕方が無い」
マミ 「え?」
QB 「いや、ごめん、何でもないよ。とにかく、この空間は君達の為に作ったものだから、楽しんでくれ。食糧なんかは、尽きる事は無いから安心していい」
さやか「こう言ってるけど」
杏子 「ま、とりあえずは良いんじゃねェの?」
マミ 「ええ。ありがとう、キュゥべえ」
QB 「それは良かった。それじゃ、僕はこれで……」
さやか「……」
杏子 「……」
マミ 「……」
QB 「……ほどいてくれないか?」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 22:35:34.76 ID:JV4fA
さやか「しょうがないなぁ。……よいしょ」
QB 「痛い痛い」
さやか「あれ?」
杏子 「どうした」
さやか「ほどけない……」
杏子 「……そりゃそうだよな。何重に縛ったか覚えてないもんな」
QB 「ちょっとそれはシャレにならないんじゃないかな!?」
マミ 「私に任せなさい」
QB 「遠慮しておくよ」
マミ 「ちぇ……」
さやか「マミさんかわい~」
マミ 「もう、美樹さんったら」
QB 「……分かった。もう多くは望まないから、まどかの所に帰してくれ」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 22:45:47.25 ID:JV4fA
杏子 「どうやってだよ」
QB 「……ほら、今、空間に穴を開けたから」グイーン
さやか「あ、まどか!!」
杏子 「やっぱ、泣きに泣いたみたいだな。目の下が腫れてるよ」
マミ 「何か、してあげたいわね」
さやか「この穴通って、帰れないのかな」
QB 「それは無理だね。今の君達は精神生命体であって、僕がこの空間に限って仮初の肉体を与えているに過ぎない。向こうに行った瞬間、君達は霧散するのみさ」
杏子 「使えねェ」ギュウウウウウウ
QB 「ごめん。僕が悪かったからやめてよ」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 22:48:12.03 ID:JV4fA
さやか「……まどか、恭介……」
杏子 「……なぁ。お前は問題無く向こうに行けるんだろ?」
QB 「ああ。僕だけはね」
杏子 「マミ。ペンはあるか? 出来れば油性」
マミ 「ペンなんて、何に……。あぁ、成程。丁度三本あるわよ、はい」スッ
杏子 「サンキュ。……ほら、さやか」スッ
さやか「……え?」
杏子 「寄せ書きってヤツだ。伝えたい事があったんだろ?」
さやか「!! ……うん!」
QB 「色紙は?」
マミ 「キュゥべえ」
QB 「だろうと思ったよ」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 23:06:35.73 ID:JV4fA
キュキュキュッ
杏子 「粗方書き終わったな」
マミ 「ええ。鹿目さん、立ち直ってくれると良いのだけど」
さやか「……よし」
杏子 「あいつの分はいいのか、さやか」
さやか「……うん。あたしが何をした所で、二人の邪魔になるだけだもん。それよりも、今はまどかに謝らなきゃ」
杏子 「そっか。……おい、珍獣。お前をあそこにブン投げりゃいいんだな?」
QB 「出来れば、そっと置くくらいでお願いしたいんだが」
杏子 「よし、分かった。行くぞ、お前ら」
さやか「よ~し! 頼むよ、キュゥべえ!」
マミ 「鹿目さんによろしくね?」
QB 「どうして三人とも変身しているんだい?」
三人 「そぉい!」ドカッ
QB 「モルスァ」ビューン
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 23:07:58.92 ID:JV4fA
◆ ◆ ◆
まどか「zzzz……」
ドコォ!!
まどか「ひゃ!?」
QB 「やぁ、まどか」
まどか「キュ、キュゥべえ!? どうしてそんなに禍々しい事になってるの!? 耳なし芳一も真っ青だよ!?」
QB 「お経じゃないよ。僕の身体をよく見てくれ」
まどか「……!! この字って……」
おわり
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 23:10:03.54 ID:JV4fA
僕はもう眠いんだ。自分でも何を書いていたのか、わけがわからないよ。
あとは、書きたい人が自由に書いていいと思う。そんな物好きがいるかは分からないけど。
それじゃ、おやすみ。読んでくれてありがとう。
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 23:12:59.22 ID:u5kM4
乙。このスレに出会えてよかった。
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/04(金) 23:14:28.41 ID:0ifx
乙
本編があれなもんだからほっこりした
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コメント
救われた気分だ。ありがとう。
URL | 名無し亭 #-
2011/03/05 00:37 | edit
イイハナシダナー
URL | 名無し亭 #-
2011/03/05 00:53 | edit
ああ、くそっ
画面が滲んで最期まで読めねぇよ
長すぎるんだよ もっと書けよ
URL | 名無し亭 #-
2011/03/05 04:09 | edit
みんな優しいな、本当に。
URL | 名無し亭 #-
2011/03/05 04:24 | edit
獣と会話してるようだ
のくだりが軋間と七夜の会話っぽい
URL | 放アニ@名無しさん #-
2011/03/05 08:49 | edit
このQBは可愛い。
ありがとう、なんかちょっとだけ救われた。
URL | 名無し亭 #-
2011/03/05 08:49 | edit
こいつはぁ…イイ
URL | 名無し亭 #IpE14Uxg
2011/03/05 11:43 | edit
これは素晴らしい
URL | 名無し亭 #-
2011/03/05 12:22 | edit
なんかさあ、涙が出てくるんだよ
あの子たちの幸せを願ってる
URL | 名無しさん #-
2011/03/05 12:28 | edit
マミさんが楽しそうで良かった…
URL | 名無し亭 #-
2011/03/05 13:05 | edit
この作者パネェうめぇ
もっと書k…書いてくださいお願いします
URL | 散歩中の名無しさん #-
2011/03/05 13:39 | edit
こういう補完があるだけで救われるな。
URL | 名無し亭 #-
2011/03/05 18:18 | edit
本編でさやか死んでなかったりしてな
URL | 名無し亭 #-
2011/03/05 18:28 | edit
本編で荒んだ心が癒された
これからの展開に救いはあるのだろうか…
URL | 名無し亭 #-
2011/03/05 20:26 | edit
次回以降もキッツいだろうから心が折れかけたらまた読みに来よう
URL | 名無しさん #-
2011/03/06 00:31 | edit
なんだこのいい話は
目頭が熱くなるな…
URL | 名無し亭 #lIaHgUZQ
2011/03/10 20:52 | edit
まどかがマジでこれに近いことをやってのけたな
しかも魔女化する前に…まどかさまマジ女神
URL | 名無し亭 #-
2011/04/26 21:22 | edit
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